こんにちは。トータルケア鍼灸学科の長島です。
鍼灸師になるためには、
現代西洋医学の知識はもちろんのこと、
東洋医学の知識も必要とされます。
本学では、1年次に現代医学と並行して東洋医学の基本を学び、
2年次に臨床応用編に入っていきます。
入学して半年を過ぎた1年生。
「東洋医学概論」の授業では、
今、必死に学んでいる東洋医学の基礎知識を総動員して、
患者さんを治療するシミュレーションをしました。
今回のお題は「何を食べても味がしない」という高齢男性の症例です。
配られたプリントには、
患者さんの様子や東洋医学的医療面接(問診や脈診、舌診など)の内容が書かれています。
それをもとに考えていくわけですが、まだ1年生なので、
ひとつひとつ、段階を踏んで考えられるように、設問を工夫してあります。
例えば
あなたは、この患者さんを観察して、どこが「アヤシい」と思いましたか?
① 気血津液精レベル
気 血 津液 精
② 五臓六腑レベル
肝 心 脾 肺 腎
本文11~15行目で、何を疑いましたか?
気虚 気滞 陽虚 血虚 血瘀 血熱 津液不足 陰虚 痰湿
28行目の質問は、なぜしたのでしょうか? 何が否定されましたか?
こんな感じで解いていくのです。
一通り考えがまとまったところで、グループワークに入ります。
各自、自分の考えを述べながら、より深く考えていきます。
活発な意見が出ます。
次に各グループの発表です。
ホワイトボードに書いて、発表します。
まさに「ドクターG」みたいですね
発表者は、なぜ、こう考えたのかを説明しながら、
東洋医学的診断を絞っていきます。
他のグループと異なるところは、質問がとびます。
説明しているうちに、矛盾に気がついて、修正するグループもでてきます。
いいぞいいぞ
最終的に、この患者さんは「脾気虚」である、という判断をしたようです。
さあ、治療はどの経絡を使いますか?
経穴(ツボ)はどこがいいかな?
2年生になると、もっと深いところまで考えるのですが、1年生はここまでです。
それでも、彼らの成長ぶりに、先生は目がうるうる…?
授業の感想の一部をご紹介しますね。
*グループワークで他の人の意見を聞いて、あーそうか、って納得できた。
*やってみて、あーなるほどって思う部分が多くておもしろかった。
*人によって診断が違うのがわかった。将来、患者の治り具合がそれで変わるのかなと思った。
合格した後も勉強しなければならないと思いました。
*どれが当てはまりどれが当てはまらないのかを絞っていくのが楽しかった。こうやって正しい症状を調べていくんだなって…
*仕組みがわかるとすっきりした。勉強していきます。
*こんなに答えてくれない患者さんもいると思うから、観察力をつけたい。
概ね「面白かった」ようです。
毎回毎回テストやってできるまでやらされてるのは、このためだって、わかってくれたかしら?
解けるのって、おもしろいっしょ
東洋医学ドクターG
トータルケア鍼灸学科では、
ただの暗記ではなく、
考えるプロセス
を大事にした授業をしていきます。